AI検索からサイトへの流入を知ることができるのか
AI検索からの流入を推測する主な方法
AI検索からの流入を把握するには、Google Analytics 4 (GA4) を使用するのが最も一般的な方法です。AI検索からの流入を直接的に示すディメンションはGA4にはありませんが、いくつかの方法を組み合わせて推測することができます。
1. 参照元(リファラー)の分析
AI検索は、多くの場合、検索エンジンや特定のAIサービスのドメインからユーザーをウェブサイトに誘導します。GA4のトラフィック獲得レポートで、セッションの参照元ディメンションをチェックすることで、流入元ドメインを確認できます。 特に注目すべきドメインは以下の通りです。
- https://www.google.com/search?q=google.com: 通常のGoogle検索からの流入ですが、AI検索結果(SGEなど)からの流入もここに含まれている可能性があります。
- bing.com: Microsoft CopilotやBingのAI検索からの流入が含まれている可能性があります。
- 特定のAIサービスドメイン: もし特定のAIサービスがリファラーとして表示される場合、直接的なAI検索からの流入と見なせます。
2. クエリ(検索キーワード)の分析
Google Search ConsoleをGA4と連携させることで、ユーザーがどのような検索キーワードでサイトにたどり着いたかを確認できます。AI検索では、より会話的で長文のクエリが使用される傾向があります。
- 長文キーワード: 「〇〇の方法を教えて」や「〇〇と〇〇の違い」のような、人間が対話するような長いクエリが増えている場合、AI検索の影響を受けている可能性があります。
- 特定の質問形式: 疑問形(「〜はなぜですか?」)や指示形(「〜するにはどうすればいいですか?」)のクエリも、AI検索からの流入を示唆する可能性があります。
3. 行動指標の分析
AI検索からのユーザーは、通常の検索ユーザーとは異なる行動パターンを示すことがあります。
- 直帰率(エンゲージメント率): AIが提供する回答の補足としてサイトを訪れている場合、通常の検索よりも短時間でサイトを離れる(直帰率が高い、エンゲージメント率が低い)可能性があります。
- セッション時間: AIがすでに答えの大部分を提供しているため、ユーザーは必要な情報だけを素早く確認し、セッション時間が短くなる傾向があります。
これらの方法はあくまで推測であり、AI検索からの流入を完全に切り分けて正確に測定することは困難です。しかし、これらの指標を継続的にモニタリングすることで、AI検索の普及があなたのサイトのトラフィックに与える影響を把握することができます。
GA4の設定方法:
- GA4の管理画面にログインします。
- 左側のメニューから「レポート」を選択し、「集客」→「トラフィック獲得」と進みます。
- 「セッションの参照元」ディメンションを確認します。
- Google Search Consoleとの連携は、GA4の「管理」→「Search Consoleのリンク」から設定できます。
AI検索とは
AI検索とは、人工知能 (AI) を活用してインターネット上の情報を検索する技術です。従来の検索エンジンがキーワードの単なる一致に基づいて結果を返すのに対し、AI検索はユーザーの意図や文脈を理解し、より適切で質の高い情報を提示します。
従来の検索との違い
従来の検索エンジンは、ユーザーが入力したキーワードを基に、そのキーワードが含まれるウェブページをリストアップします。この方式では、キーワードが同じでも文脈が異なると、求めている情報とは違う結果が表示されることがあります。
一方、AI検索は自然言語処理 (NLP) 技術を用いて、ユーザーが入力した質問や文章の意味を解析します。これにより、単なるキーワードマッチングではなく、質問の背後にある意図を汲み取り、関連性の高い情報や、要約された回答を直接提供することができます。
主な特徴
- 自然言語での検索: 質問形式や話し言葉で検索しても、意図を正確に理解してくれます。
- 文脈の理解: 複数のキーワードの関連性や文脈を考慮して、より精度の高い検索結果を返します。
- 直接的な回答: 検索結果のリンクを羅列するだけでなく、ウェブ上の情報から要約された回答を生成して提示します。
- パーソナライズ: ユーザーの過去の検索履歴や興味に基づいて、カスタマイズされた結果を提供することもあります。
AI検索の例
現在、多くの検索エンジンやサービスがAI技術を導入しています。例えば、Googleの生成AI機能や、MicrosoftのCopilotなどが挙げられます。これらのサービスは、ユーザーの質問に対して、複数の情報源から統合された回答を提示したり、文章の作成や要約を手助けしたりします。
AI検索はどれくらい利用されているのか
AI検索の利用率は国や世代によって異なりますが、世界全体では日常的に利用する人が増えています。特にインドや中東では利用率が高く、世界平均の72%に達しています。一方、日本は51%と世界平均を下回る結果となっています。
利用状況
AI検索は、従来のキーワード検索とは異なる用途で使われることが多く、以下のような傾向が見られます。
- 若年層を中心に利用が拡大: 10代や20代では、アイデア出しや文章作成の支援、個人的な相談などにAI検索を利用する割合が高いです。一方、40代以上では従来のキーワード検索を好む傾向にあります。
- 用途による使い分け: ユーザーは、目的によって従来の検索エンジンとAI検索を使い分けています。
- AI検索: 複雑な質問への回答、文章の要約、ブレインストーミング、クリエイティブな作業などで利用されます。
- 従来の検索: 正確な情報が必要な専門分野やニュース、天気、店舗情報など、信頼性が重視される場面で依然として主流です。
欠点と課題
AI検索は便利である一方で、いくつかの課題も指摘されています。
- ハルシネーション(AIの嘘): AIは誤った情報や存在しない事実を生成することがあり、これが信頼性の懸念につながっています。そのため、特に医療や法律など、正確性が求められる分野では、AI検索の結果を鵜呑みにせず、必ず複数の信頼できる情報源で確認することが推奨されています。
- 信頼性の低さ: 多くのユーザーがAI検索の利便性を認めつつも、その信頼性についてはまだ懐疑的です。特に日本では、AI検索を「信頼できる」と答えた割合が低い傾向にあります。
- プライバシーの懸念: ユーザーの検索履歴や質問内容が詳細に分析される可能性があるため、プライバシー保護の観点からも懸念が示されています。
AI検索はどんなものがあるのか
AI検索には主に、対話型AI、AI搭載検索エンジン、特化型AI検索ツールの3つのタイプがあります。
1. 対話型AI
対話型AIは、まるで人間と話すかのように質問に答えてくれるAIです。自然言語を理解し、その場で情報を要約したり、文章を生成したりできます。代表的なものに、ChatGPTやGoogle Gemini、Microsoft Copilotなどがあります。これらは、単なるキーワード検索ではなく、複雑な質問や複数の情報を組み合わせたタスクにも対応できるのが特徴です。
2. AI搭載検索エンジン
これは、従来の検索エンジンにAI技術を組み込んだものです。キーワード検索に加えて、AIが検索結果を分析し、より関連性の高い情報を提示したり、検索結果の概要を自動で生成したりします。これにより、ユーザーは多くのページを開かなくても、必要な情報を素早く得ることができます。GoogleやBingがこのタイプに該当します。
3. 特化型AI検索ツール
特定の分野に特化したAI検索ツールも増えています。例えば、Perplexity AIは、ウェブ上の情報をリアルタイムで検索し、その場で回答を生成することに特化しています。また、学術論文や特定の専門分野に特化したデータベースをAIが検索・分析するツールもあります。これらのツールは、特定のニーズを持つユーザーにとって非常に有用です。
要するに、AI検索は、単にキーワードで情報を探すだけでなく、質問の意図を理解し、回答を生成する能力を持つ新しいタイプの検索方法です。どのタイプを選ぶかは、ユーザーの目的によって異なります。