WordPressの再利用ブロック(パターン)をSEOに活用
再利用ブロックをSEOに活用
再利用ブロックはSEOに非常に効果的に活用できます。特にWordPressのGutenbergエディタで利用できる「再利用ブロック」や、最近では「パターン」と呼ばれる機能は、コンテンツの一貫性、効率性、そしてSEOに良い影響を与える可能性があります。
再利用ブロックをSEOに活用する主なポイントは以下の通りです。
1. 一貫性のあるコンテンツ要素の維持
- CTA(Call To Action): お問い合わせボタン、メルマガ登録フォームなど、ユーザーに行動を促す要素を再利用ブロックとして作成し、複数の記事に配置することで、一貫した導線を確保できます。これにより、コンバージョン率の向上が期待できます。
- 定型文・免責事項: 記事の最後に毎回記載する定型文(例: 参考文献、注意事項、著作権表示など)や免責事項を再利用ブロックにすることで、抜け漏れなく、常に最新の情報を提供できます。これはユーザー体験向上にもつながります。
- 自己紹介・プロフィール: 記事の著者情報や簡単なプロフィールを再利用ブロックにして、複数の記事に挿入することで、権威性や信頼性を高められます。
2. サイト全体の品質向上と効率化
- デザインの一貫性: サイト全体で同じデザインの要素(例: 見出しスタイル、ボックス、引用ブロックなど)を使用することで、ブランドイメージの一貫性を保ち、ユーザーがどのページを見ても同じ品質のコンテンツに触れているという印象を与えられます。これは間接的にSEOにも良い影響を与えます。
- 更新作業の効率化: 再利用ブロックは、元のブロックを編集するだけで、それを挿入しているすべての箇所に自動的に変更が反映されます。例えば、CTAのデザインを変更したい場合、1箇所の再利用ブロックを修正するだけでサイト全体のCTAが更新されるため、作業効率が格段に向上します。これにより、頻繁なサイト更新やメンテナンスが容易になり、SEO評価にもつながります。
- Core Web Vitalsの最適化: 適切に構築された再利用ブロックは、余計なCSSやJavaScriptの読み込みを抑えることができ、ページの表示速度向上に貢献する可能性があります。Core Web VitalsはSEOの重要な評価項目であるため、この点も有利に働きます。
3. SEO上の注意点とポイント
- 重複コンテンツへの配慮: 再利用ブロックは便利な一方で、全く同じコンテンツを大量に異なるページに配置しすぎると、Googleから重複コンテンツと見なされる可能性があります。重要なのは「サイト内で再利用する価値のある定型的な要素」に限定することです。本文の大部分を再利用ブロックにするのは避けましょう。
- 「通常のブロックへ変換」の活用: 再利用ブロックを挿入した後、「通常のブロックへ変換」することで、そのブロックは元の再利用ブロックとの関連性を失い、個別に編集できるようになります。これにより、基本のテンプレートは再利用しつつ、各ページで微調整を行うことが可能になります。これは、部分的な情報の更新や個別最適化を行いたい場合に便利です。
- セマンティックHTMLの意識: 再利用ブロックを作成する際に、適切なHTMLタグ(hタグ、pタグ、ul/olタグなど)を使用することで、検索エンジンがコンテンツの構造を正しく理解しやすくなります。
- アクセシビリティの考慮: 再利用ブロックに画像やボタンを含める場合、altテキストやaria-labelなどのアクセシビリティ属性を適切に設定することで、視覚障害者を含むすべてのユーザーにとって使いやすいサイトになり、SEO評価にも良い影響を与えます。
具体的な活用例
- 記事下部の関連コンテンツ案内: 関連性の高い記事への内部リンクをまとめたセクションを再利用ブロックにし、記事下部に配置する。
- 著者情報ボックス: 各記事の著者の簡単な紹介とSNSリンクなどをまとめたボックス。
- お問い合わせへの誘導: 記事の途中で読者にお問い合わせを促すシンプルなテキストとボタン。
- メルマガ登録フォーム: 特定のテーマに特化したメルマガ登録を促すフォーム。
- 特定の製品やサービスへの誘導: 記事の内容に関連する製品やサービスへのリンクと簡単な説明。
再利用ブロックは、サイト管理とコンテンツ作成の効率化だけでなく、SEOにおいても戦略的に活用できる強力なツールです。上記ポイントを参考に、貴社のWebサイトに合った活用方法を検討してみてください。
再利用ブロックとは
WordPressの「再利用ブロック」とは、作成したブロック(単体またはグループ)を保存し、他の投稿や固定ページで何度も繰り返し利用できる機能のことです。
簡単に言うと、よく使う定型的なコンテンツを「テンプレート」のように登録しておき、必要な場所にすぐに挿入できる便利な機能です。
主な特徴とメリット
- コンテンツの一貫性の維持: Webサイト全体のデザインやレイアウト、ブランドの一貫性を保ちやすくなります。例えば、特定のデザインの「お問い合わせボタン」や「行動喚起(CTA)セクション」を再利用ブロックとして登録しておけば、どのページでも同じデザインで表示できます。
- 作業の効率化と時間短縮: 同じコンテンツを何度も作成する手間が省けます。これにより、記事作成やページ制作の時間を大幅に短縮できます。
- 一括編集が可能: 再利用ブロックの大きな特徴は、一度編集すれば、その再利用ブロックを使用しているすべての箇所に編集内容が自動的に反映される点です。例えば、会社の住所や電話番号を複数のページに記載していて、それが変更になった場合でも、再利用ブロックを一つ編集するだけで全てのページの情報を更新できます。
- 柔軟な活用: 段落、画像、ボタン、リストなど、あらゆる種類のブロックを再利用ブロックとして保存できます。複数のブロックを組み合わせて、より複雑なセクション(例:料金表、プロフィール欄、SNSフォローのお願いなど)を再利用ブロックにすることも可能です。
- エクスポート・インポート: 再利用ブロックは、別のWordPressサイトにエクスポート・インポートすることも可能です。
WordPress 6.3以降の名称について
WordPress 6.3からは、再利用ブロックの名称が「パターン(同期パターン)」に統一されました。機能としてはこれまで通りですが、呼び方が変わったことを覚えておくと良いでしょう。
使い方(基本的な流れ)
- 再利用ブロックの作成:
- 再利用ブロックにしたいブロック(またはブロックのグループ)を選択します。
- ブロックツールバーの右端にある「︙(オプション)」ボタンをクリックし、「再利用ブロックに追加」または「パターンを作成」を選択します。
- わかりやすい名前を付けて保存します。
- 再利用ブロックの挿入:
- ブロックを追加したい場所で「+」ボタンをクリックし、ブロック挿入パネルを開きます。
- 「再利用可能」または「パターン」セクションから、使用したい再利用ブロックを検索・選択して挿入します。
- 再利用ブロックの編集:
- 再利用ブロックを挿入した後に内容を編集すると、その変更は元の再利用ブロック自体にも反映され、他のすべての使用箇所にも適用されます。
- もし、その特定の箇所だけで内容を変更したい場合は、ブロックを選択し、ブロックツールバーの「︙」から「通常のブロックへ変換」または「パターンを切り離す」を選択することで、通常のブロックに戻すことができます。この場合、変更はその箇所のみに適用され、元の再利用ブロックには影響しません。
再利用ブロックは、WordPressでのコンテンツ作成を効率化し、サイトの一貫性を保つ上で非常に強力な機能です。ぜひ活用してみてください。
再利用ブロックのデメリット
WordPressの再利用ブロックは、同じコンテンツを複数の場所で簡単に使い回せる便利な機能ですが、いくつかデメリットも存在します。
主なデメリットは以下の通りです。
- 一括変更が意図しない影響を与える可能性: 再利用ブロックは、どこか一箇所を変更すると、それが使われている全ての場所で変更が反映されます。これは便利な反面、意図しない場所まで変更されてしまい、レイアウトの崩れや情報の誤りにつながる可能性があります。特に、複数の投稿やページで多くの再利用ブロックを使用している場合、影響範囲を把握するのが難しくなります。
- 管理が複雑になる可能性: 再利用ブロックの数が増えてくると、どのブロックがどこで使われているのか、どのブロックが最新の状態なのかといった管理が複雑になります。特にチームでWordPressを運用している場合、共通認識が取れていないと、誤って変更してしまったり、古いブロックを使い続けてしまったりするリスクが高まります。
- 特定のページのみの変更が困難: 再利用ブロックは、あくまで「再利用」が前提の機能です。もし特定のページでのみ内容を少し変えたいといった場合、再利用ブロックを解除して通常のブロックに変換する必要があり、手間がかかります。これにより、再利用ブロックのメリットである「一括変更」が活かせなくなります。
- テーマやプラグインとの相性問題: WordPressのテーマやプラグインによっては、再利用ブロックの表示や編集に問題が生じる場合があります。特に、複雑なレイアウトを生成するテーマや、独自のブロックを多数提供するプラグインを使用している場合、予期せぬ挙動を引き起こす可能性があります。
- キャッシュの問題: Webサイトのキャッシュ設定によっては、再利用ブロックの変更がすぐに反映されない場合があります。キャッシュをクリアする必要があるため、変更が反映されたか確認する際に手間がかかることがあります。
これらのデメリットを理解した上で、再利用ブロックを適切に活用することが重要です。例えば、頻繁に更新されない共通のコンテンツ(例: 著作権表示、連絡先情報)や、複数の場所で全く同じコンテンツを繰り返し使用する場合に利用するなど、使いどころを考慮すると良いでしょう。